ロシア公演ツアー報告⑤ :サンクトペテルブルク文化大学「邦楽コンサート&尺八・篠笛ワークショップ」
これまでに上記のプロジェクトに参加した若手邦楽アーティストたちが2グループを構成し、2016年10月末から11月初旬にかけて、ロシア公演ツアーを実施してきました。このツアーでは、両グループが個々にモスクワとサンクト・ペテルブルグをまわり、自主企画公演をふくむ合計12のイベントに出演しました。
(過去の「アントレプレヌール支援:邦楽科におけるグローバル・キャリア展開」の実施報告についてはこちらをご覧ください:2015年度、2014年度)
このページではサンクトペテルブルク文化大学のベールイ・ホールにて行ったコンサート「邦楽コンサート&尺八・篠笛ワークショップ」の様子を紹介します。このイベントには井本蝶山さん、正田温子さん、江原優美香さんが出演しました。 この場を借りて、貴重な機会をくださったサンクト・ペテルブルグ文化大学の皆様にあらためて感謝申し上げます。
❖ イベント概要
確かな技術で伝統を伝える事を目的としつつ、時代に沿った広め方も追究したイベントとなりました。古くからある曲を演奏することにもっとも重きがおかれる和楽器ですが、「古典」「現代」といった言葉やジャンルに惑わされる事なく、楽器の「音」を知ってもらい「可能性」を感じていただけるような選曲に努めました。 また、ワークショップでは、音の出し方はもちろんのこと、楽器の仕組みや、特徴、歴史についてもお話し、コンサートや演奏体験を通して、日本の笛二管に親しんでいただきました。
日時:11月1日(火)15:00開演
場所:サンクトペテルブルク文化大学 ベールィ・ホール
出演: 井本蝶山さん(尺八)
正田温子さん(笛)
江原優美香さん(箏)
❖プログラム
1.《雁》 (山本邦山 作曲)
尺八:井本蝶山
2.《故郷》(長谷部瑞季 作曲)
笛:正田温子
尺八:井本蝶山
3.《助六》より抜粋(三代目桜田治助 作詞 十代目 杵屋六左衛門 作曲)
《勧進帳》より抜粋(三代目並木五瓶 作詞 四代目 杵屋六三郎 作曲 )
笛・能管:正田温子
4.《春の海》(宮城道雄 作曲 尾花明音 編曲)
箏 :江原優美香
尺八:井本蝶山
笛 :正田温子
5.《竹》(山本邦山 作曲)
尺八:井本蝶山
笛 :正田温子
❖観客の様子・反応
観客が音楽科の学生や教員ということもあり、演奏会だけでなく質問や体験でも熱心さがうかがえました。録画などで記録している方が多い印象を受けました。
❖実施側の感想
レクチャーでは楽器の構造や使われる音楽、奏法の特徴などを実演も交えて説明しましたが、その後予期せぬ質問の嵐で大変驚きつつも、これほど興味を持っていただけると思っていなかったので、嬉しい悲鳴でした。箏にも興味を持っていただけたようで、箏のレクチャーを希望する声もありましたので、三つの楽器を紹介させていただきました。日本から離れた土地で日本の楽器を紹介できることを嬉しく思わずにはいられない一時でした。
演奏会アンケート
ご来場くださった皆様にご協力いただき、演奏会の感想をお聞かせいただくアンケートを取りました。
アンケート結果はこちら
❖会場の様子