2016年度より創造ラボは「創造機能」に改めました。 創造ラボ(2014〜2015年度)では創作、演奏、鑑賞といった創造活動を社会や教育など様々な角度から分析すると同時に、最新鋭の技術を用いた舞台芸術作品の制作も行いました。2014年度は日本の伝統芸術と最新鋭のテクノロジーによる新たな試みとして、能「胡蝶」による22.2マルチチャンネル音響システム作品の制作と試演を行いました。2015年度は2014年度の成果をさらに発展させて、演劇・能による「KOCHO/胡蝶」を制作し、試演しました。同年度に制作したもうひとつの作品、ヴァーチャル・オペラ「MIRAGE/DOUBLE」では、上演環境の可変性に着目したオペラ上演の新たな形態に挑みました。研究ラボと連携した「音楽家のためのアントレプレヌールシップ(起業家的な精神とスキル)の養成支援」(現「音楽活動支援」)として、学生諸氏の活動を積極的に社会発信するスキルを習得するための録音・撮影ワークショップを開催しました。これらの取り組みを通じて、創造活動にまつわる諸問題を社会と共有し、芸術と社会との在り方を常に探求するアクティブな場の形成を目指しています。
2016年度はこれまでの活動成果をより広く社会に発信する方法の調査と実践を行いました。その一例として、2014年〜2015年に制作した本学オペラ定期演奏会メイキング映像を用いた他大学での試験的な授業や、2015年度に制作した「KOCHO/胡蝶」公演映像による藝大フレンズ会員向け上映会を開催しました。いずれの折にも、参加者および来場者にアンケート調査を行い、音楽と芸術文化全般に対する幅広い層の観衆の意識や関心を分析しました。これらの事業を通じて、音楽と社会とのつながりのよりよいあり方を探求しています。
2014年度、2015年度の創造ラボの事業記録は特設サイトでご覧いただけます。 どうぞご覧ください。