ロシア公演ツアー報告④ : ヤアニ・キリク教会コンサート「和楽器の魅力~古典から現代~」
これまでに上記のプロジェクトに参加した若手邦楽アーティストたちが2グループを構成し、2016年10月末から11月初旬にかけて、ロシア公演ツアーを実施してきました。このツアーでは、両グループが個々にモスクワとサンクト・ペテルブルグをまわり、自主企画公演をふくむ合計12のイベントに出演しました。
(過去の「アントレプレヌール支援:邦楽科におけるグローバル・キャリア展開」の実施報告についてはこちらをご覧ください:2015年度、2014年度)
このページでは聖ヨアンナ教会コンサートホール、ヤアニ・キリクにて行ったコンサート「和楽器の魅力~古典から現代~」の様子を紹介します。福田恭子さん、江原優美香さん、大嶋礼子さん、井本蝶山さん、正田温子さんが出演しました。
マネージメントはオフィスプロペラント(代表:一戸華代子)です。ご尽力に心より御礼申し上げます。
❖ イベント概要
古くから伝わる伝統的な曲はもちろんの事、近代作曲家の手によって生み出された現代の表現による和楽器曲も選曲し、様々な編成で演奏しました。伝統の継承だけでなく、時代によって変容し発展してきた日本音楽の軌跡を映し出せることをめざしました。
日時:10月31日(月)19:00開演
場所:聖ヨアンナ教会コンサートホール ヤアニ・キリク
出演:福田恭子さん(箏・三絃)
大嶋礼子さん(箏)
江原優美香さん(箏)
井本蝶山さん(尺八)
正田温子さん(笛)
❖プログラム
1.《春の海》(宮城道雄作曲)
箏 :江原優美香
尺八:井本蝶山
2.《雁》 (山本邦山 作曲)
尺八:井本蝶山
3.《ゆき》(流石庵羽積 作詞 峰崎勾当 作曲)
三絃:福田恭子
4.《竹》(山本邦山 作曲)
尺八:井本蝶山
笛 :正田温子
〈休憩〉15分
5.《秋の曲》(吉沢検校 作曲 松阪春栄 箏替手手付)
箏〈本手〉:大嶋礼子
箏〈替手〉:福田恭子
6.《助六》より抜粋(三代目桜田治助 作詞 十代目 杵屋六左衛門 作曲)
《勧進帳》より抜粋(三代目並木五瓶 作詞 四代目 杵屋六三郎 作曲 )
笛・能管 :正田温子
7.《八重衣》(石川勾当 作曲 八重崎検校 箏手付)
箏 :大嶋礼子
三絃:福田恭子
尺八:井本蝶山
8.《招春賦》(笹本武志 作曲)
1箏 :福田恭子
2箏 :江原優美香
尺八 :井本蝶山
笛 :正田温子
❖実施側の感想
教会という場所柄も関係したのか、静寂のなかに緊張感がある空気でした。とても素敵な教会で、厳かな雰囲気の中、邦楽のコンサートを行うことができました。天井が高く広い会場だったため、音の響き方を確認するリハーサル時間を十分にいただけたことがありがたかったです。客席からは、会場の空気感から、とても真剣に日本音楽を知ろうと興味を持っていただけている事がよくわかりました。