「フリーランスアーティストを目指すために」(第7回特別講座「若手音楽家のためのキャリア展開支援」)

13. 今後の社会における展望


石崎先生:堅苦しく書いてありますが、今はグローバル社会なんです。ものすごく変化が激しいです。
アジアを中心に新しい世界が出ているんです。欧米の人はアジアに出てくる人はほとんどいないと思います。GDPで半数を占める中国やインドのなかで、アジア人である私たちにとってはチャンスなんです。逆に私たちがそういうところに興味を持って、乗っからせてもらうということができると思います。日本からアジアへ行くということです。

モノから心へ

世の中物であふれているじゃないですか。ロジカルシンキングで解ける問題というのは、ほぼ解かれているので、AIが全部そういうこともしてしますので、AIが解けないことは、アーティスティックなことで、まさに皆さんがしていることだと思います。普通の人が一つずつ並べていって、これが答えだなという世界ではなくて、いきなり0から100に答えが到達するという思考が藝大生にはあるんじゃないかと思います。

モノから心へ」というのはすごいキーワードで、感性とか創造性などはキーワードになってくると思います。

テクノロジーが進化していて、私たちの身の回りの生活とか、ビジネスとかはテクノロジーとは切り離せなくなっていると思うんです。そうすると、先ほどお見せしたように、指数関数的に急に発展してくるので、未来も急に発展します。今日の話に出てきたGoogleの開発のインド人が言っていたように、自動運転もできていますから、そうすると、この先論理で解ける問題ってAIがやれば良いと思います。
そうではないクリエイティブなものって、まさに音楽ですよね。美しいと認められるようなデザインのものを作って、身の回りを美しくしていくかということに、もっと経済(お金)が流れていくと思います。
ここに大きな力が来れば良いんじゃないかなと思っています。

碓井先生は私にとって親友で理解者ですが、碓井先生のようにオープンマインドで世界で活躍をしているは本当に稀有です。脳科学を中心に芸術というのはどういうものかということが、科学的に分からなければいけないと思います。
あと私みたいにビジネスとか、政策者・政治家が、実際の社会の枠組みを変えていくという、色々な分野の人がいないと、ARTmentで私と碓井先生が言っていた、もっと未来は面白くなるよね。ということは実現しないんですよね。

私たちはそれぞれ海外に飛んで、忙しい日々なので、あんまり最近はARTmentの活動ができていないのですが、改めて今日この講演をするのに、何を考えていたかなということや、世の中どうなるかなということを考えたら、6年前に感じたArtの可能性というのはますます信じられるようになっていくんじゃないかなと思います。

14. 著名人たちの言葉(引用)


これは、Wiredというサイトのなかの面白い記事ですね。クリエイティブや、イノベーションな情報が面白く書かれた雑誌で、ぜひ皆さんも読んでいただきたいです。Wiredにいくと、カテゴライズされていて、MUSICという記事があります。
ARTという記事があったり、全部カテゴライズされています。読みたい記事が出てきます。Black Eyed Peasという米国のヒップホップのスターがいて、そのリーダーがこの黒人の方、ウィル・アイ・アムで、彼がものすごく哲学者で面白いことをしていて、音楽もテクノロジーに合わせて時代とともに進化するべきだと言っています。
ここにずらずらと書いているんですが、「今の私たちは音楽の海の中の、ほんの浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでいるにすぎない」と書いてあります。
音楽という海があったとしたら、もっと深い所があって、そこで最新のテクノロジーがあったとしても、まだ到達できていない、これから分かってくる、ということです。
この考えを本当に素晴らしいなと思ったんです。これをインドに行った1年目に読みました。
これから色々な可能性が出てくるなと思いました。さっき言った科学者や皆さんのような音楽家、私みたいなビジネスマンが色々な形で交流しあえば、何か糸口が開けてくるのがこの分野だと思います。

最後がスティーブ・ジョブズです。
スティーブ・ジョブズは、イノベーションのカリスマといわれていますが、スタンフォード大学に入ることも悪くないけど、パリで数年間詩の勉強をしたり、発展途上国の生活を自分の目で見てくることが良いんじゃないかと言っています。

こうじゃないといけないとか、こういう規格で勉強していかなければいけないとか枠組みから出て、ハーバードやスタンフォードでもそういう枠から出きれてないので、もっと違うアートを勉強した方が良いということです。インドに行ったらびっくりしますよ、あまりにも路上生活者が多いので。そういうものを見て、行かなきゃわからないので、自分の目で見て、肌で感じてくるということがとても大事だと思います。

こんな形で私たちのARTmentは活動しています。

これからも色々な出会いのなかで、また何かやりたいと思っています。
何かやりたいことがあれば企画とかテーマを皆さんからどんどん言ってもらった方が良いと思います。

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