ロシア公演ツアー報告① : シンポジウム「世界の音楽地図」

 

これまでに上記のプロジェクトに参加した若手邦楽アーティストたちが2グループを構成し、2016年10月末から11月初旬にかけて、ロシア公演ツアーを実施してきました。このツアーでは、両グループが個々にモスクワとサンクト・ペテルブルグをまわり、自主企画公演をふくむ合計12のイベントに出演しました。これから1件ずつイベントの模様を紹介していきます。
(過去の「アントレプレヌール支援:邦楽科におけるグローバル・キャリア展開」の実施報告についてはこちらをご覧ください:2015年度2014年度

このページではモスクワ音楽院、世界音楽文化センター主催の第3回国際シンポジウム「世界の音楽地図」(英語プログラムはこちら)に参加した福田恭子さんの講演の様子を紹介します。福田さんは一昨年度と昨年度、上記「アントレプレヌール支援」プロジェクトに参加し、ロシアへの渡航は3回目、ロシアでのイベント出演は2年目となります。

❖ イベント概要
今回のシンポジウムはテーマを「歌語り、あるいは小劇場」とし、各国の伝統音楽とその歴史を紹介しながら、国際的な音楽文化交流が図られました。10月18~25日の開催期間中、連日、「研究発表」と「音楽家と語り部による演奏会」が開催されるという大変充実したシンポジウムでした。福田さんはこの最終日の「研究発表」枠に登壇しています。以下はその模様です。

日時:2016年10月25日(火)17:00~18:00
主催:モスクワ音楽院 世界音楽文化センター
会場:バフルーシン演劇博物館
講演:福田恭子(本学非常勤講師)
発表題目:「日本音楽における歌い物及び語り物の歴史:地歌の実演とともに」

❖ 観客の様子・反応
日本の伝統音楽の各種目紹介において、実際に音源や映像を流すと、興味を示してくださる様子が見てとれました。
また、発表を行ってから実演した端歌《ゆき》については、映像などに比べ、生の演奏であるためか、特に関心を向けて、真剣に聞いてくださる様子がうかがえました。

❖ 登壇者の感想
この発表によって、日本の伝統音楽にはほとんど欠かせないもののひとつである、語りや歌について紹介することができ、日本音楽を伝える一人としての役割を少しでも達成できたかと思います。発表内容は、代表的な種目のみの紹介に割愛することとなりましたが、地歌のなかでも端歌を実演したことにより、三絃を伴奏とする歌物のひとつを、少しでも感じ取っていただけたのではないかと思います。すでに日本伝統音楽の文化交流が根付いているモスクワでの専門的な発表として、意義のある活動であったと感じます。

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