東京藝術大学 音楽創造・研究センター     

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渡航後のアンケート

Q.1 今回のアントレプレヌール支援プロジェクトに参加し、一番の収穫は何でしたか。 自身で航空券やホテルの手配をし、現地でも個人行動をとるという経験を得たことです。今後思い立てばいつでも海外での活動を実行できるという自信に繋がり、一気に視野が広がりました。 ――――――――――――――――――――― 海外での邦楽の需要を実際にこの目で確かめられたことがまず一番よかったことです。また、自分の今後のキャリアについて、長い渡航期間中考えることができたことも収穫になりました。 ――――――――――――――――――――― 一番の収穫はワークショップで同行者の皆さんのお話を伺えた事です。様々な価値観、仕事に対する考え方を知る事が出来て目から鱗でした。

Q.2 プロジェクトのなかで驚いたことはありましたか。 出演グループのコンサートのチケットが完売し、さらにそれでも聴きたいという方が集まってきたことと、実際に食い入るようにコンサートを聴いていた聴衆の様子です。こんなにもモスクワの人々が邦楽(特に古典)を求め、興味をもってくださっていたのかと、想像していた以上の結果に驚き、また嬉しくもありました。 ――――――――――――――――――――― ロシアの人々が自分を紹介する事が上手なことに驚きました。誰しも自分が演奏する動画や写真を携帯していて、こちらから頼まなくても見せてくれるので(プロジェクトに関わる人だけでなく、全く違う場所でお会いした人までも)国民性の違いを感じるとともに、これは日本人にはない特徴だと思いました。 ――――――――――――――――――――― カラトゥイギナ先生をはじめ、モスクワ音楽院の先生方がとても好意的に受け入れてくださったことです。モスクワ音楽院の大ホールで開催されている演奏会のチケットをお取りくださったおかげで思わぬ勉強もできました。 ――――――――――――――――――――― 日本で邦楽を演奏する際には、大抵粛々とした拍手で演奏会を締めくくりますが、ロシアの観客の方々(もしかしたら海外の方々にも共通することかもしれませんが)は、その場で感じた感動や感想を演奏後直に感情に表すことにとても驚きました。

Q.3 プロジェクトへの参加前と参加後で変わったと思うことはありますか。ある場合は、何がどのように変わりましたか。 他者とコミュニケーションをとるときに必要なのは積極性だとより強く感じるようになりました。これまでは避けて通るようにしていた語学を勉強しなくてはいけないと意識を改めました。 ――――――――――――――――――――― 「迅速に行動する、客観視する、素直に気持ちを伝える、優先順位をつける」ということが参加前には全くできていなかったのですが、プロジェクトを通じてほんの少し改善できた気がしました。 ――――――――――――――――――――― これから演奏家として生きていくモチベーションが参加する前よりずっとあがり、私でも何か自己実現が出来るかもしれないという希望が湧いてきました。誰かに依存せず、目的意識をしっかりと持った強い人間にならなくてはと思いました。

Q.4 今回の参加経験から、後輩(あるいは今後、初めて海外公演に取り組もうとする方々)に伝えたいことはどういう事柄ですか。 自身の力ですべての準備を行うことの必要性です。演奏家の活躍する場が少なくなってきた今、ただ待っているだけでは仕事はきません。それは国内外の活動を問わず、我々演奏家には必要なスキルだと思います。 ――――――――――――――――――――― 自分がどのような演奏家になりたいのかはっきりと意識する事が大切だと思っています。そしてその答えを恥じずに認めて、それに向けて進む事が必要です。 またどんな経験も、自分の考え方一つで栄養になったり、どうでもいい事として終わってしまったりするという事も、私自身が肝に銘じているところです。 何事もはっきりと、しかもなるべく言葉にして意識する事がどれほど大切な事か、それがどれほど自分の行動に関係してくるのかを、私はこのプロジェクトで学びました。 ――――――――――――――――――――― 行く前に高校までに学んだ英語の復習をしておく事は重要だと思いました。それと本当に基本的な事ですが、笑顔は万国共通で人の心を柔らかくすると改めて感じました。 ――――――――――――――――――――― 海外での演奏は音楽を通じた文化交流であるため、人と人との交流を特に大事にしてほしいと思います。また自分の演奏活動における将来の目標へ向かうため、短所や長所を知ること、目標を定めることができるなど、自分に改めて向き合える機会であると感じます。 海外の土地の治安や、住む環境や日常などは、日本より恵まれていない場合が多いと考え、常に周囲に注意し、行動に十分に気を付けることが重要であると思います。

Q.5 今回のようなグローバル・キャリア展開支援は必要だと思いますか。必要だと思う場合は、どの程度(規模・人数など)必要だと思いますか。 今後さらに必要になると思います。今回参加してみて、少人数でのディスカッションと、関係者とのコミュニケーションがとても勉強になったので、規模は小さい方が密でよいと思いました。また、継続的に考えることがとても大切だと感じるので、渡航などの有無にかかわらず長期間であることが必要だと思います。 ――――――――――――――――――――― 特に視野が狭くなりがちな邦楽の世界につかっている若者ほど、必要であると思います。また海外演奏に行くのであれば、楽器や学年がバラバラなほうが鍛えられるでしょう。 ――――――――――――――――――――― 必要だと思います。少人数制で、一人ひとりのキャリア展開を密に詰めていくことが必要なのではないかと感じます。できれば、二、三人など、少人数の方が、一人での行動も多くなることが予想されますし、また一人で考え、進めていかなければならないことも増えていくので、将来個々で活動していく上で、役に立つことが多いように感じます。

Q.6 今回のようなグローバル・キャリア展開プロジェクト以外に、大学でどういったアントレプレヌール支援があったら良いと思いますか。 演奏家の中でも、特に我々邦楽の人間は自分を強くアピールしたり、売り出したりすることが苦手な人が非常に多いと感じます。今回のグローバル・キャリア展開のように「邦楽科学生のための」と銘打ったリ、邦楽の世界でグローバル・キャリア展開に成功された(学生にも親しみのある)先生などを講師に迎えたワークショップを、もっと全面的に邦楽科の学生の目に届くように宣伝していただければ、学生も参加しやすくなりいいと思います。 ――――――――――――――――――――― 「起業家精神」という言葉自体四年間の学生生活だけでは接する機会がほとんどないと思いますので、小規模でも講演会やワークショップを定期的に開催していただけたらありがたいです。 ――――――――――――――――――――― 今後個人で営業していくにあたり、財務の事を知らない学生がほとんどだと思うので、財務処理などを学べるものがあれば自分は受けたいと思いました。 ――――――――――――――――――――― ポートフォリオ・サイトに載せる動画の、簡単な編集の仕方などのワークショップがあると嬉しいです。 また、難しいとは思いますが、海外で演奏企画をしたり、それに関して相手と意見を交わすときに使えるような、音楽用語に特化した英会話などのクラスがあるといいと思います。 ――――――――――――――――――――― 海外渡航に向けて日本での演奏家としての認知度を高めるための支援があったらいいと思います。日本での活動に際し、地域の人々とコミュニケーションや交流を取っていくことで、演奏活動の広がりを学ぶことができると思います。

Q.7 音楽祭に出演し、モスクワで実現できた社会的貢献とは何だったと思いますか。また一方で、ご自分の個人的な糧となったことはありましたか。2010年以降の音楽祭の演目資料や、世界音楽文化センター・ウェブページの本公演に関する紹介文などを参照しながら、お答えください。(※出演グループの方のみ) 箏の音楽には生田流と山田流と大きく二つの流派が存在するという証明だけでなく、生田流と山田流のどちらでも演奏される楽曲を、その違いを提示しながらモスクワの皆様に演奏を提供させていただくことが出来た点が、個人的には大きな糧となりました。 ――――――――――――――――――――― モスクワであまりスポットを浴びていない篠笛と能管という楽器を知っていただけた事だと思います。また、山田流、生田流、篠笛という組み合わせも、日本でさえなかなかないものです。三曲合奏を聞きなれた方々にとっても、日本音楽の新しい面を知っていただく事が出来たのではないかと思います。 個人的な糧としては、観客の皆さまが喜んでくださった事が何よりも私の心に残りました。一方通行ではなく、演奏者と観客が音楽を共感できる演奏会、そんな素敵な場に立たせていただけたと感じました。 ――――――――――――――――――――― 日本とロシアの音楽的文化交流を実現できたことが社会的貢献の一つだと感じます。 このアントレプレヌール支援は今回の演奏者が「日本の心」で演奏をすること、そしてその演奏の結果が次の後輩たちに繋がる第一歩だったので、このことに対してのプレッシャーを感じながらも公演を達成できたこと、また、海外での演奏経験が叶ったことが自分の糧となったことだと思います。 元のページへ戻る