「音楽家のための確定申告講座」(第8回特別講座「若手音楽家のためのキャリア展開支援」)

【おたよりコーナー④】

では、次の【おたよりコーナー】です。

ペンネーム ニューオーリンズのクラリネットガール さん
私はサラリーマンをしながら、土日に演奏活動をしていましたが、半年前に演奏1本に絞って、忙しいけれど充実した日々を送っています。
最近、お世話になっているライブハウスのマスターから、だいぶ忙しくなってきたみたいだから、青色申告とか経費とか、いろいろ税金のこと色々考えるいいタイミングかもねと言われました。
あと、最近消費税上がりましたが、私達のような音楽家にも関係はありますか?

はい、では、おたよりの中にあった、青色申告、消費税、経費について、順番にお話していきますね。

4. 青色申告の話

まずは青色申告のお話です。ポイントを絞ってお伝えしますね。

ポイントは二つです

① 簡易帳簿で10万円控除

② 3月15日まで(or開業から2か月以内)に届け出

まず知っておいてほしいのは、オンカクの栗原としては、簡易帳簿で10万円控除がおすすめですよということです。

確定申告というのは、なにも届け出などをしないと白色申告になります。

「私は青色申告をします」と手を挙げた人だけが、青色申告になるのです。

青色申告には、複式簿記で帳簿を作ると65万円の控除ができるというパターンAと、簡易帳簿を作ると10万円の控除ができるというパターンBがあります。

複式簿記で65万円の控除が欲しいとは思いますが、複式簿記という方は、会計ソフトなどを使わないと、プロの俺でも面倒なので、今日はおすすめしないでおきます。

それでも複式簿記でやってみたいという人は、あとで相談してくださいね。

さっき、オンカクの栗原は簡易帳簿で10万円の控除をおすすめしているといいました。

でも、世の中には、「簡単な方の帳簿とは言え、やっぱり作るのは面倒だから、控除はいらない、あきらめるよ」という人もたくさんいます。

そして、実際に数年前までは、白色申告ならば帳簿を作らなくてもいいよという時代がありました。

ところが今は、白色申告でも簡易帳簿を付けなくてはいけないということが法律で決まっているんです。

数年前まではと言いましたが、平成25年までは、白色申告では簡易帳簿を作らなくてもよかったんです。ところが、平成26年分の申告から、法律が変わりました。

なので、現在は、この図のように、青色申告のパターンBも、白色申告も、簡易帳簿を作らなくてはならないという点ではおんなじなんです。

ところが、青色申告の方なら10万円の控除があって、白色申告は控除がゼロ。

だったらみなさんはどちらを選びますか?というお話です。

なので、オンカクの栗原は、青色申告の10万円控除をおすすめしているというわけです。

でもね、こういう法律って、人知れずひっそりと変わるものなんです。ですから、今までずっと白色申告でやってきた方の中には、法律が変わったことを、今も知らないまま、つまり情報がアップデートされていないままの人もたくさんいます。

なのでもしかしたら、もしも今日みなさんが、「じゃあ、青色申告でやってみようかなぁ」と思ったとしても、先輩や知り合いの中には、親切心で、「えっ、帳簿を作るのは面倒で大変だよ、白色申告なら帳簿を作らなくてもいいんだよ」とアドバイスをしてくれる人も現れるかもしれませんね。

でもこれは、アップデートされていない古い情報に基づいたアドバイスになりますので、気をつけてくださいね。

さっき、「私は青色申告をします」と手を挙げた人だけが青色申告になる、つまり控除を受けられるといいました。

これ、実際には「青色申告承認申請書」という、A4の紙を一枚出すことになります。

届け出には期限があって、例えばこの図のように、2019年の計算を青色申告でやりたいと思ったら、2019年の3月15日までに提出する必要があります。確定申告の期限と同じ日なんですね。

ちなみに2019年の計算というのは、2019年1月1日から12月31日までの計算をして、2020年3月15日までに確定申告する、という意味です。

この期限はメッチャ厳密で、一日遅れても認められません。もしも2019年の3月16日に提出した場合は、2020年の計算から青色申告ということになりますので気をつけてくださいね。

ただし、開業から2ヶ月以内という例外規定もあります。

年の途中で開業した人で、「もう3月15日の締め切りは間に合わないよ」という人がいたら、なんか気の毒ですよね?そこで、年の途中で開業した人は、そこから2か月以内に届け出をすれば、青色申告でいいですよ、ということになっているんです。

届け出についてはこんな感じですので、「青色でやってみようかなぁ」という人がいたら、ぜひやってみてくださいね。

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