「音楽家のための確定申告講座」(第8回特別講座「若手音楽家のためのキャリア展開支援」)

5. 消費税の話

次は、「消費税 これだけは」という話になります。

ここはとてもシンプルです。① 法律上、消費税をもらうことを自覚しようということです。

今日の皆さんはどうかわかりませんが、過去のオンカクセミナーの受講生さんからは、「音楽って消費税かかるんですね、もらえるんですね、知らなかったからビックリです」という感じでアンケートに書いてもらうことが多いです。

具体的に言うと、例えば、10万円の本体価格に、1万円の消費税がかかって、11万円ってことです。

ここで絶対押さえていてほしいのは、皆さんの活動には消費税がかかるということです。

もしも今まで知らなかった人は、今日これで知った、つまり自覚をしたところまで来ました。

そうしたら次に、② 消費税がかかることを相手に説明する必要があります。

みなさんが、音楽には消費税がかかるんだということを知らなかったかもしれないのと同じように、実は、みなさんにお金を払ってくれる側、仕事をくれる側の相手も、知らない可能性があるからです。

そういった場合は、相手に、“音楽活動には消費税がかかるんですって”ということを伝えてみてください。

今日のみなさんは、学生や卒業して数年という人が多いようですね。そうなると、年上の人とやりとりすることが多いと思うので、なかなかそういうことを伝えづらいかもしれませんが、

「仲良くしている税理士さんが消費税取らないとダメって言ってたんですけど・・・」と、私(栗原先生)のことを出しても良いので、ダメ元で伝えてみてください。

過去のオンカクセミナーに参加していた人で、これを伝えたことによって、消費税の10%を多くいただけた、つまり実質の上げに成功したという人もいました。

相手に伝えるタイミングのコツとしては、③ 最初に確認するようにしてください。仕事をもらえたら、できればその時点で、「最初に確認なんですけど、消費税って10%かけて大丈夫でしょうか・・・」みたいに聞いてください。

もう何回か同じ場所などで演奏をしている人だと言いにくいですよね。そういう人は、さっき話したように、「ついこの前、友達の税理士さんに言われちゃったんですけど・・・」なんて感じで、税理士を上手く利用していただいて、伝えてみてください。

もう一つは、「聞き方と力関係には要注意」”です。力関係”と書いていますけど、商売って基本的には払う側が決定権を持ってますよね。どんな美味しい料理を提供したって、「今は食べたくないから買わない」と言われたらそれまでです。

パスタ1,000円で売ってるんだけど、「予算980円しかないんです」って言われたら、もう買ってもらえないですよね。力関係では、お客さん側が強いんです。

同じように、「一人10万円で演奏をお願いします」と言われて、消費税がかかる話を思い出して、「消費税かかって11万でいいですか?」と伝えた時に、「あ、演奏って、消費税がかかるんですね、はいわかりました」って言ってもらえたらいいのですが、世の中ではこういうこともよく起こるわけです。

「うちの予算が10万ピッタリなんだよね~」と。その時は悩みますよね。でも、もし自分の中で、「今回の演奏、税込み10万円、つまり実質値下げでもいいや」と思えた人は、にっこり笑って、「じゃあ消費税込みで、ご予算の10万円でお引き受けいたしますね!」と、笑顔で答えてください。もちろん、「11万円じゃなくちゃ引き受けられない」と思ったのだったら、普通に「ごめんなさい」と言えばいいということになります。

6. 経費の話

最後に「経費 これだけは」というお話です。

微妙な経費は、写メ、つまりスマホなどの写真ですね、それと按分を使おうということです。

例えばですが、私はこの手の服(講座の日に栗原先生が着ていたジレ)を360日くらい着てます。今のように仕事中も来ていますが、プライベートでも着ています。こういう感じで、プライベートでも使えるものですと、「本当に仕事に使ってるんですか?」と、税務署としては突っ込みを入れたくなるんですね。

なので、こういう場合には、仕事中に着ていると分かるような写真を撮っておくことで、「ほら、仕事に使っていますよ」と説明できるってわけです。

次に按分です。

按分というのはそもそも、何対何にわける、例えば7対3とかにするってことです。

この中に、ドレスをプライベートで来ている人はいますか?はい、いないですよね。で、それは税務署の人もわかってます。でも、このジレのように、プライベートでも着れそうなものは、やっぱり突っ込みたくなるんですよ。「プライベートでも使うことありますよね?」と。

なので、こんな感じで、払ったお金のうちの何割かだけを“按分計上”するんです。

例えば私が、服を買った領収書がこれなんですが、下の方に、※印でこんなこと書いています。

「※按分計上 ×0.8=32,080円」ってね。

これは元々の領収書の金額である41,010円の中の、8割を按分して経費に計上しようということです。

この割合を出す場合は、一度、実際に数字を数えてみてください。例えば、さっきのジレなら、3か月間数えてみて、30回着ていたとします。で、そのうち、仕事で着た回数が24回でしたと。

そうしたら、24÷30で、0.8が仕事として着た割合だから、それを“経費として落とす按分割合”にするってことです。

払った金額の全部ではなくて、仕事に使った割合として、一部を経費で落とすやりかたが、按分です。根拠があれば通る可能性が高くなります。

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